2026.8.23[sun.]
朝、玄関を開けると稲の香りがしました。
もう本当に秋の入り口なんだなぁ、と実感しました。四季の変化を感じれる環境に暮らして感性豊かにいられることを、こうしてピアノライフに向き合うからこそ、改めてありがたく思います。
それでは日曜日、発表会の曲紹介です。
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毎週月・水・金・日曜日に更新♫
発表会開催までの道のりと共に、52名のご出演者の皆様の演奏曲目を紹介してまいります。
ご出演者の皆様が選んだ音楽に、私なりの視点で向き合いながら、そして演奏される生徒様へ想いを寄せて紹介してまいります。初出演の方から出演回数順にご紹介してまいります。
※当日のプログラムにて変更となる場合もございますのでご了承ください。
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C.ドビュッシー
「月の光」
ドビュッシーといえば、この「月の光」の旋律が一番有名なのではないでしょうか。
ピアノ曲であれば、並んで「アラベスク第1番」
19世紀後半から20世紀にかけて近代フランスを生きた作曲家。それまでのクラシック音楽にあったような形式には囚われずに、絵画や情景、詩、物語からインスピレーションを受け幻想的な作風が特徴的です。
ドビュッシーの作品と連想させるようによくモネの絵画が取り上げられますが、モネも同じフランス時代を生きた芸術家同士。

モネがスケッチした光や影の移ろいを、ドビュッシーもまたそんなふうに音色や響き、旋律で目に映る情景や感じた光、香りを表現していたのでしょう。そんなドビュッシーが書いたこの「月の光」は、『ベルガマスク組曲』という4つの曲をまとめた作品の第3曲目。
その曲の背景には、同じくフランスを代表する詩人ヴェルレーヌの『雅びなる宴』の中の一節からドビュッシーがインスピレーションを受けて、書き上げた作品です。
皆様はこの曲を聴くとどんな情景が浮かぶでしょうか。
水面に映る月の光や、水の精が踊る様子、水の中から浴びる月の光、などなど。どこか瑞々しさを感じますが、改めてヴェルレーヌのその詩を読んでみましょう。
あなたの心の中はとびきりの景色だ
そこではお洒落な仮面とベルガモ風の衣装が行き
交い、リュートを弾き、踊っているけれど奇抜な仮装の下で彼らはどこか悲しげだ
短調の調べで歌うのは勝ち誇った愛や成功した人生
だが自らの幸せを言じることなく
その歌声は月の光に溶けてゆく
悲しくも美しい月の光の静けさが
梢の鳥たちに夢を見させ
そして噴水をうっとりとすすり泣かせる大理石の間でやさしく吹きあげる噴水を
ちなみに“ベルガマスク”とはイタリアのベルガモ地方の舞曲、「仮面」を表す「マスク」、道化師をつけて踊るダンスや衣装を関連づけて表しているそうな。
それは現代のピエロの起源。ピエロは仮面をつけたその奥では、心の中に悲しみを抱えている、といった意味をこの詩の中に込めているとのこと。

悲しみを込めて明るく滑稽に振る舞う。
そんな風な心情や振る舞いに周りの情景を当てはめて改めて「月の光」を聴いてみると…
いかがでしょうか。
冒頭の旋律やハーモニーもどことなく、淡い色彩であっても、切なさも滲むような色に感じませんか?
今まで癒しの心地よい旋律として聴き馴染んできましたが、私も改めて詩の奥深くを探ると、複雑さをこめた魅力に変わりました。
さてそんなドビュッシーの名曲をこの度、選ばれた生徒様。
2年ぶり3度目のご出演です。
生徒様にとって憧れの曲。
「ピアノを習いたい、と思った時のきっかけがこの曲」とも話してくださった生徒様。
実は練習においては空白の期間を2度挟みながら、この曲を今日まで仕上げている最中です。
「いつかは・・」と心に描いてきた「月の光」。
今年で6年目のレッスンライフを、迎えようとしております。
生徒様にとっては、その前からレッスンに通う日々は始まっており、大人になってからまじまじとピアノを習い始め、今年で10年になるのだそうで。
その大きな節目を想い、ピアノを習うと決めた心の原点にずっとあった「月の光」を、諦めずに今日まで細々と繋いできました。
ようやく旋律が流れ始めてきた今年の春、それはそれはなんともいえぬ喜びと安堵。
やってきてよかった。
そして私も諦めずに、妥協せずに生徒様の練習過程に向き合ってきて本当によかった、嬉しい。
そう思います。
大きな大きな達成と喜びで当日を迎えられるよう、私も今日まで諦めずにレッスンにて「月の光」を持ってきてくださった生徒様へ感謝を込めて最後まで向き合いたいと思います。
今日も素敵なピアノライフを!

✴︎皆様のご来場お待ちしております!

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