◾️発表会の曲[34]

2026.9.25[fri.]

今日は十五夜。

お月様は見れそうでしょうか。

発表会の曲紹介もだんだんと終盤へ向かっています。それではまいりましょう。

————————————————————

毎週月・水・金・日曜日に更新♫

発表会開催までの道のりと共に、52名のご出演者の皆様の演奏曲目を紹介してまいります。

ご出演者の皆様が選んだ音楽に、私なりの視点で向き合いながら、そして演奏される生徒様へ想いを寄せて紹介してまいります。初出演の方から出演回数順にご紹介してまいります。

※当日のプログラムにて変更となる場合もございますのでご了承ください。

————————————————————

今日はクラシックから…

S.ラフマニノフ

「前奏曲 Op.3-2」

ラフマニノフのピアノ曲といえば、「鐘」というタイトルと共にこの曲が思い浮かぶのではないでしょうか。

この「鐘」というタイトルは、ラフマニノフ本人が付けたものではなく、この作品を耳にした人々が、祖国ロシアと共にラフマニノフも深く愛した正教会とその鐘の音から、この曲の重々しく荘厳に響く低音に鐘の音をイメージしたために、通称として定着してゆきました。

実際に、ラフマニノフ自身、幼少期に耳にしたノヴゴロドの正教会の鐘の音とその風景に影響を受けて書かれたと言われています。

ラフマニノフにとって、鐘は“故郷、祈り、人生”なのだとか。

先日、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」を紹介した際、彼は昔からロシア正教会によく足を運ぶほど、教会音楽を深く愛していたお話をしました。

ラフマニノフにとって、教会と共にその音も風景も全てが、人生を表していたのかもしれません。

亡命という人生も含め、祖国を愛し続けたラフマニノフらしい感性。

「鐘」というタイトルで、ラフマニノフはもう一つ傑作を残しており、それは合唱交響曲「鐘」。

エドガー・アラン・ポーの詩をもとにして、“銀・金・青銅・鉄”という4種類の鐘が、人間の人生のステージ(幼年・青春・成熟・死)を象徴しているといわれています。

そのイメージで聴くと、なかなかに納得の作品。

ちなみにピアノ曲のこの「鐘」には、“前奏曲”というタイトルがついていますが、元々は、ラフマニノフがまだ若き19歳の頃、「幻想的小品集」としてまとめた4つの作品の中の2曲目として書き残しました。

前奏曲というと、ショパンが挙がりますが、彼はバッハの平均律クラヴィーア曲集から影響を受けて、バッハのスタイルと同じように全調性の24つの前奏曲をまとめて書き残したわけですが、ラフマニノフもまた同じように、全調性24つの前奏曲を書き残しました。

ですが、ショパンとはまたスタイルが違い、10の前奏曲集と13の前奏曲集をそれぞれに書き、そしてそこに「鐘」も嬰ハ短調という一つの調性の作品として仲間入りさせて、3つをまとめて、24つの前奏曲集としたそうな。

なので、ラフマニノフにとって最初に書いた「鐘」が前奏曲集完成への出発点になっていたということですね。

「ヴォカリーズ」も、出版当初から名高い人気があったように、この「鐘」も、名ピアニストでもあったラフマニノフ自身がよくリサイタルのアンコールにて演奏することが多く、当時から名声を高めていた作品の一つです。

さて今回この曲を選ばれた生徒様、2020年から7度目のご出演です。

今年の夏、レッスンライフも7年目を迎えました。

体験レッスンにて初めてお会いした日、清塚信也さんのピアノ曲集を手にして来られたその日の光景、生徒様の音色を、夏が来るたびに、そしてこう綴るたびに思い出します。

気づけば6年と年月が流れていたこと。

生徒様の姿もお人柄も、そして演奏としてイメージも、当教室の歩みにしっかりと存在を残してくださっていることを改めて深く感じます。

生徒様とのレッスンにおいて、ずっとポップスやインストの曲がメインだった中、兼ねてより「次の発表会がりゅーとぴあということなので、クラシックで考えています」と話してくださっていました。

私にとって、生徒様とのレッスンライフにおいて、初めて深く向き合うクラシック曲となります。

そして選ばれた「鐘」

繊細さも力強さも、重々しさ、そして静けさ、様々な音の移ろいを兼ね備えた一曲を選んでくださったので、私もまた新鮮な気持ちで生徒様のピアノに、そして音に向き合います。

これまで深く見つめてこなかったような、音の響きやバランスに目と耳を向けて。

それがまたこれからのピアノライフへの道を彩るきっかけになってくだされば、と願いながら。

大舞台にて、この「鐘」の響きを、生徒様の音色と感性でどんな風に表現できることでしょう。

これまでの6年間で、たくさん気づかせていただいた音楽への愛と癒し、感動に私もまた感謝を添えて、今年も当教室の皆様へ、生徒様らしさと、そして新しい生徒様の表現力を伝えられるよう祈り、最後までサポートしてまいります。

今日も素晴らしいレッスンライフとなりますように!

この記事が良かったと思ったら「いいね!」

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

*