◾️発表会の曲[38]

2026.10.2[fri.]

本日も秋晴れで迎えました。

いよいよ本日よりプログラムのお渡し。

こうして曲紹介と共に演奏される生徒様へと心を向けてまいりましたが、皆様が改めてそれぞれのお名前と曲目、コメントと共に、このブログのコーナーを頭に思い出しながら眺めていただけると嬉しいです。

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毎週月・水・金・日曜日に更新♫

発表会開催までの道のりと共に、52名のご出演者

ご出演者の皆様が選んだ音楽に、私なりの視点で向き合いながら、そして演奏される生徒様へ想いを寄せて紹介してまいります。初出演の方から出演回数順にご紹介してまいります。

※当日のプログラムにて変更となる場合もございますのでご了承ください。

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さて、今年の発表会3度目の登場となる作曲家です。

F.シューベルト

「即興曲 Op.90-3」

この即興曲作品90について、以前にも紹介したのを覚えていますでしょうか?

シューベルトの晩年、そして尊敬するベートーヴェンが亡くなったその年に書いた作品。

31年の生涯にして、最後の2年間はシューベルトにとって作曲人生の集大成のように傑作をたくさん残したのです。

実はこの作品90、最初の2曲は生前に出版されましたが、あとのこの3番と4番は、シューベルトの死後、30年近く経ってから出版されました。

その当時、元々シューベルトはこの曲を変ト長調(♭が6つ!)、そして当時としては珍しい「2分の4拍子」で書き残していました。

それを出版社側が、弾き手にとってわかりやすく演奏しやすいようにと、ト長調(♯1つ)、2分の2拍子に書きかえて出版したのです。

なのでシューベルトの死後、初版として出回った楽譜はもっとシンプルだったそうな。

ですが、やはり、作者が決めた調性というのは曲の性格、イメージ、その魅力がちゃんと伝わる意味のあるものなのですよね。

後に、原譜の調性にて書き直されて、今はこの変ト長調の楽譜が当たり前に出回っています。

さすがは歌曲の王。

息を繋ぐ間もないほどにゆったりと長く流れる美しい旋律。

その旋律の間を水辺のように彩る内声の動き。

伴奏の左手はシンプル、それでもところどころ旋律をより豊かに彩るように、トリルが鳴り響きます。

この手法は、これもまた以前紹介しましたシューベルトのピアノソナタ第21番の1楽章にも用いられています。

波のように流れる内声に浮かび上がる息の長い旋律。

この作品90の1番は、暗闇からさす光と共に、シューベルト自身が魂と向き合い、問い、答えを繰り返し彩られる曲。

そして2番は、人生で花のあった時代への喜びと幸福を思いながら、嘆きや憤りをふくみながら情熱的に締めくくる曲。

3番はそれらを経て安らぎを求めた一曲。

ちなみに4番は、そんな人生の苦楽と向き合い、祈りと幸福のシャワーを浴びているような一曲。

とあくまで私の感じるイメージですが。

この作品90はよく4つの楽章にまとめられたソナタのように解釈されることも多いです。

シューベルトの人生の全てを詰め込んで、そして向き合い、時にもがき、嘆き、そして受け入れ、幸福にも溢れた作品。

今もピアノ曲として愛される作品ですね。

さて、今回この曲を選ばれた生徒様。

2018年より、9度目のご出演です。

実は4年前にこの曲を発表会にて演奏されています。

この曲を挙げてくださった時、生徒様の音色と雰囲気にピッタリで、私も深く賛成したような記憶です。

8年前の春、ご縁あってご一緒に始まったピアノライフです。

発表会の選曲において時々あがるのが、ご自身の暮らしの中で触れてきた、さりげなく流れてきた音楽。

あのとき聴いたあの音楽。

そしてご家族の中でも、ピアノを弾く生徒様の姿はいつも、特別なシーンと姿として、心に置かれているように思います。

今回この曲を改めて選んだきっかけには、「あの時の発表会に弾いた曲が一番よかった」というご家族の声から。

暮らしの中での、苦しみやもどかしさを話してくださりながらも、いつも生徒様から感じるのは、ご家族への愛。

“安らぎ”を歌うような美しい旋律。

生徒様の温かな音色が、もしかしたらきっとご家族皆様へも自然と伝わり、心地よさと共に愛を感じる姿と演奏だったのだろう、と思いたいです。

いつかの春の弾き合い会で、スピーチにて話してくださったことを思い出します。

「なかなか思うように、弾けないんですけれど、

それでも丁寧に音と向き合いたいな、と思います」

生徒様の暮らしにおいて、心のバランス、リセットを図る時間と空間にもなってくれたら嬉しいなと思いながら今日までの8年間、生徒様とのレッスンライフを重ねてまいりました。

4年ぶりに向き合う即興曲。

丁寧に音と向き合う。

いつまでも忘れませんように。

8年のレッスンライフ、どんな時でもピアノの時間を求めて今日まで歩んでくださったことに大きな感謝を添えて、最後までサポートしてまいります。

そして今年もご家族へとさりげなく愛が届きますように。

今日も素晴らしいレッスンライフとなりますように!

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