2026.9.27[sun.]
9月も残すところ4日。
このコーナーもそろそろカウントダウンがやってきそうです。
それでは35回目、まいりましょう。
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毎週月・水・金・日曜日に更新♫
発表会開催までの道のりと共に、52名のご出演者の皆様の演奏曲目を紹介してまいります。
ご出演者の皆様が選んだ音楽に、私なりの視点で向き合いながら、そして演奏される生徒様へ想いを寄せて紹介してまいります。初出演の方から出演回数順にご紹介してまいります。
※当日のプログラムにて変更となる場合もございますのでご了承ください。
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今日もクラシックを…
E.グラナドス
組曲『ゴイェスカス』より
「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」
グラナドスはスペインを代表する作曲家。
彼は、同じくスペインを代表する名画家であるフランシスコ・デ・ゴヤの作品に深く心奪われ、夢中になっていたのだとか。

実際に彼が残した手紙に綴られています。
僕はゴヤの心とパレットに惚れた。彼とアルバ公園爵夫人に。彼のモデルたちに、その争いに、色ごとに、愛の言葉に。飾り紐つきの黒ビロードや絹レースに映える頬の白バラ、しなやかな腰つき、真珠母の手、黒玉の髪にさしたジャスミンが、僕を夢中にしてしまった....
そんなゴヤの作品からインスピレーションを受けて書き上げたのが、この組曲。
ゴヤの特定の作品を元に書いたのではなく、彼の作品を様々に融合させて、そこに物語をつくり音楽にあてたもの。
このタイトルは、まさにゴヤの名前から“ゴヤ風の”という意味で付けられた「ゴイェスカス」。
舞台は1800年代、マドリード。

身分の違う二人組の男女の恋や激しい嫉妬、悲劇が描かれています。
グラナドスはこの作品をピアノ曲として書いたのちに、そのつくられた物語のままオペラへと改作しています。
そんな組曲の第4曲目にあるのが、この「嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす」。
このタイトルも独特ですが、「〜、または〜」と言う表し方も、まさにゴヤが作品につけるタイトルの言い回しにあり、グラナドスなりに、彼へのオマージュとも捉えられます。
“マハ”とは、スペインでいう“粋な女性”という意味。
男性を“マホ”と呼びます。
この組曲の副題には、「恋するマハとマホ〜ゴヤの絵画の場面集」とつけられています。
そしてこの4曲目の作品が最も有名です。
「ある昼下がり、庭で小鳥が悲しそうに鳴いているのを聞いた」と歌うスペイン民謡のメロディを使って作られた一曲。
ちなみに鶯は、ヨーロッパでは、愛の情熱や切なさを運ぶメッセンジャーとして特別な位置付けをされています。
日本では春を告げる象徴とされている鳥ですが、ヨーロッパでは、恋や永遠の愛を象徴する鳥なのでしょう。
この曲の最後、まさに鶯の声をイメージしたトリルの連続、愛の行方を告げるように飛び交う様子が目に浮かぶ美しく叙情的な旋律の上行がまた魅力的です。
そんなグラナドスにとって最高傑作である作品。
初演は、グラナドス自身がピアノで演奏し、好評を博します。そして後にオペラ作品として書いたものを、アメリカからのオファーで、ニューヨークにて初演、そして大成功。
ですがその帰路にて、悲劇が襲います。
渡航中に、魚雷攻撃に遭い、波間に沈んでゆく妻のアンパロを見て、グラナドスは自ら身を投じて、夫婦2人で抱き合うように深い海の中へと亡くなります。

傑作『ゴイェスカス』、音楽人生における大成功と共に、愛する妻と身を共に命を落とす悲劇。
グラナドス自身も命をかけた作品として世に残った傑作となりました。
さて今回、鶯と共に愛の情熱、悲しみと嘆きを歌う魅力的な作品を選んだ生徒様、2018年から9度目のご出演です。
生徒様とのご縁は、忘れられません。
それは、当教室が誕生するきっかけの背景にいてくださった元生徒様との繋がりから生まれたご縁だったのです。
日常の中で巡り合った偶然と必然。
SNSで、私と元生徒様とのやりとりから、生徒様が当教室を知るきっかけになります。
ご紹介くださり、お会いする機会に結びつき、気づけば9年目の秋を迎えました。
それは今振り返ると、まさに鶯が春を告げる早春に、生徒様とのレッスンライフをスタートしました。
子供の頃からピアノを習い、大学進学にて新潟を離れてからも、ご自身の趣味としてピアノがさりげなくライフワークにあった生徒様。
当教室のある場所も、生徒様にとって懐かしい景色と思い出の詰まった場所。
色んな偶然とご縁が重なり、始まったレッスンライフ。
初めてお会いした時に弾いて下さったのは、メンデルスゾーンの「春の歌」でした。
こうやって思い出しながら、生徒様との出会いのきっかけのそのタイミングと出来事も、まさに鶯が運んでくれたご縁なんだと私なりに勝手にリンクさせて、今日まで流れてきたレッスンライフに温かな気持ちと感謝が溢れます。
生徒様の演奏こそ、蝶々や小鳥が舞うように歌うイメージが魅力的、と私は思っています。
今回のこの曲を挙げてくださったとき、「うん、生徒様らしい曲をまた持ってきてくださったなぁ」と嬉しくなりました。
8年間のピアノライフと共に、たくさんの新しい音楽に心を向け、、そして彩ってまいりました。
ゴヤの絵画と共に、生徒様らしい色と歌心を添えながら、9度目のご出演もまた素晴らしい演奏経験として思い出を刻めますよう願い、そして特別なご縁に感謝を添えて、最後までサポートしてまいります。
それでは今日も素敵なピアノライフを!

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