◾️発表会の曲[36]

2026.9.28[mon.]

9月最後の週を迎えました。いよいよ10月の始まりがすぐそこです。

それでは月曜日の曲紹介を。

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毎週月・水・金・日曜日に更新♫

発表会開催までの道のりと共に、52名のご出演者の皆様の演奏曲目を紹介してまいります。

ご出演者の皆様が選んだ音楽に、私なりの視点で向き合いながら、そして演奏される生徒様へ想いを寄せて紹介してまいります。初出演の方から出演回数順にご紹介してまいります。

※当日のプログラムにて変更となる場合もございますのでご了承ください。

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今週は再びクラシックがほとんどです。

F.F.ショパン

「ワルツ 第3番(Op.34-2)

今年の発表会の曲紹介5度目のショパンの登場です。

ショパンは生涯で、19曲のワルツを残しています。

生前に出版されたのはそのうち8曲。

そして死後出版された遺作の方が多く11曲。

さらには一昨年2024年に、ショパンの新たな自筆譜が見つかり新たなワルツ遺作として話題になりました。

そんな生前に出版された8つのなかで、作品34におさめられた3つのワルツの2曲目がこの第3番。

ショパンのワルツ集の中では、とりわけゆったりとLentoの指示、そして短調で、哀愁が色濃く漂う一曲。

ワルツは円舞曲。

舞踏のイメージとはまったく異なる曲調ですが、ショパン自身は、ワルツの中でこの曲を一番好んでいた、という説も残されています。

この曲が書かれた頃、ショパンは祖国からウィーンへ、そしてそこからパリへと移住したばかり、ショパン20歳の頃に書かれたとされています。

パリへと渡る前、ウィーンにて改めて受け入れた根強いウィンナワルツの存在と人気。

ウィンナワルツといえば、シュトラウスやランナー。“ワルツ王”と呼ばれたシュトラウスの人気と存在はとても大きかったようです。

いつかの曲紹介にて、シュトラウスの傑作が登場しましたよね。

そんなショパンは、パリへと向かった先で、家族宛に手紙にてこう記しています。

ランナーやシュトラウスがワルツを演奏します。ワルツが終わる毎に、その音楽家達は騒々しいブラボーを受けます。人気のあるオペラのメロディーや、歌曲やダンス曲で始まるお好みが演奏されると、ウィーン人の熱狂には際限がありません。
僕は、この手紙と一緒に僕の最近作のワルツを送りたかったのですが、郵便馬車が行ってしまいますし、それを書き写す時間がないので、また別の機会にしなければなりません。

舞踏会で踊るワルツの印象から、ショパンはもっと詩情的なワルツをと、独自の美意識やスタイルを求めて舞踏詩のようなワルツを書き続けたのかもしれません。

その初期に書かれ、まさにショパン自身が求めたワルツとして書き上げたのが、この作品34。

そしてショパンのワルツには、序奏が設けられているのが特徴。

この曲ももちろん序奏から始まります。

ゆったりと左手の低音でメランコリックに始まるところが、また他のショパンのワルツ作品とは唯一無二で魅力的です。

今回この曲を選ばれた生徒様。

2018年から9度目のご出演です。

定年という人生の一つの大きな節目に。

“これからの人生”を考えた時に心に浮かんだのが、昔習っていたピアノ。

体験レッスンにてお会いしたときに奏でたのは、ベートーヴェンのロンドだったような。

久しぶりに見る音符と、鍵盤をなぞる指の感覚。

おぼつがない指をドキドキしながら初めての空間で音符と共になぞった9年前の春を懐かしく思い出します。

その秋には、人生で初めての発表会に出てくださいました。

そう、生徒様にとってピアノレッスンは子供の頃の経験として残っていましたが、発表会という経験は無かったのです。

ご自分で《苦手》と線を引いてきた「人前での表現」

それでもレッスンライフのスタートと共に、発表会の出演を決意してくださったのです。

本番そのものだけでなく、そこまでの道のりを深く色濃く、心の充実とし、そしてさらには同じようにステージへ上がる生徒の皆様の姿に感動を覚え、刺激となってくださったのでしょう。

それから毎年欠かすことなく、発表会のステージを経験してくださっています。

そんなことを、発表会がくるたびに思い出します。

そして今年、9度目の発表会にして初めて発表会の曲にと選んだショパン。

退職前、勤務地にて、「将来の夢」について聞かれたらシーンがあったとのこと。

「ショパンを弾くこと」

と、漠然とか答えていたご自分がいたそうで。

悩みながら今年選ばれたショパンの作品を手にし、ふと思い出したその当時のご自身の言葉。

それでも心の奥にずっと、「手が届くものではないだろう…」とも思いながら憧れてきたショパンだったからこそ、の言葉だったのでは、と私なりに思ったりします。

これまでとはまた違った景色と感覚で、音符や、ショパンが残した楽譜に添えられたメッセージと向き合いながら9度目のステージを目指します。

人生の節目にて、当教室にて出逢ってくださったこと。

憧れを手にするところに今いる喜びと感謝を胸に、最後までサポートしてまいります。

今日も素敵なピアノライフを!

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